越後の奇祭「むこ投げ・すみ塗り」

魚沼地方の松之山に古くから伝わる奇祭「むこ投げ」「すみ塗り」は、毎年小正月の1月15日に松之山温泉街の薬師堂でおこなわれます。

 

「むこ投げ」は前年に結婚した男性を胴上げし、薬師堂境内から高さ5メートル以上ある崖下に投げる小正月行事です。略奪婚の名残で、よそ者に集落の娘をとられたという若い衆の腹いせが形を変えたものといわれています。現在は結婚の祝福と集落への仲間入り、また二人の絆がより深まるようにと願う伝統行事です。松之山温泉では投げられてみたい新婚のお婿さんも公募しているとのことです。

 

 

 

 

 

むこ投げが終わると、いよいよ「すみ塗り」が始まります。
「すみ塗り」は600年ほど前から伝わる行事で、「さいの神(道祖神)」を燃やした灰を雪と混ぜ、スミを作って誰かれとなく顔に塗り合うもの。無病息災と家業繁盛、そして、豊作を願っておこなわれます。

 

当日の朝、温泉街の男衆が集い、山から木を伐り出して「さいの神」を作るところから「すみ塗り」始まります。それからはお神酒をいっぺこと(いっぱい)いただく小正月の始まりです。飲めば飲むほど盛り上がり、「すみ塗り」が始まる頃には皆上機嫌。女性もお客さんもお構いなし。おまわりさんもみんな真っ黒になります。これで無病息災、商売繁盛間違いなし。

 

 

 

 

 

 

真っ黒になった後の温泉がこれまた格別!温泉で顔だけ黒い裸の姿を見て、みんなが吹き出してしまうのもご愛嬌です。真っ黒になって笑い合う「すみ塗り」は、日本三大薬湯「松之山温泉」と共に生きる伝統行事なのです。