魚沼産コシヒカリはなぜ美味しいのか?
美味しいお米を作る要素である「土」について調べてみました。

なぜ魚沼の土が肥沃なのかを、郷土史を紐解くことで解明していきたいと思い、「十日町市博物館」の学芸員:阿部さんを訪ね、「魚沼の土はなぜ良いのか」を伺いました。

「魚沼地方は盆地地形で、信濃川に沿ってゾウリムシのような形に盆地があります。
さらに信濃川に流れ込む支流がたくさんあって、そこが水利権の単位になり、集落ができあがっていきました。

現在は治水がしっかりされているので、そんなことは滅多にないのですが、信濃川は、かつては暴れ川と言われていて、雨が降ると河川がたびたび氾濫したそうです。
江戸時代の記録にも、河川の氾濫によって橋が流されてしまうので、簡易の橋しか作らなかったという記述があります。
 
そんな河川の氾濫が明治時代くらいまで続いていました。
河川の氾濫は水害という被害をもたらしますが、それと同時に山や森のミネラルをたっぷりと含んだ土砂も運んできてくれます。

河川沿いに作られた田圃は、河川の氾濫のたびに土砂に覆われ、結果として土の入れ替えがおこなわれていたのです。

そのため今でも、河川沿いの田んぼでは、肥沃な土壌から良質のお米が獲れるのだと思われます。

よく、河川沿いの田んぼで有機栽培をおこなうと、栄養過多により稲が倒伏しやすくなったり、食味が悪くなるという話を聞きますが、河川の沖積土壌には、それだけ土に力があるということです。」

河川の氾濫が土砂となって、山や森の良質の土を運んできてくれる。
それが繰り返されることで、常に良質の土壌が出来上がるということが分かりました。