ケンサン焼き
米どころ新潟県のなかでも魚沼産コシヒカリは、うまい米・味のよい米として知られています。
地元魚沼の人々が、魚沼産コシヒカリのうまい食べ方のひとつとしてあげるのが「ケンサン焼き」です。
魚沼地方ではこの時期になるとケンサン焼きをする家庭を良く見かけます。
「ケンサン焼き」は、もともと正月の年始よびの夜食に出される即席料理でした。
夕食の残りをおにぎりにして、こんがり焼き上げた上に、焼き味噌に生姜、刻みネギをかけ、熱湯を注いで食べます。
魚沼産コシヒカリの香ばしい焦げ味と、生姜味噌の素朴な風味が食欲をそそり、身体の芯まで温まるので、冬の夜の食べ物としては、これに勝るものがないと言われています。
そのむかし、上杉謙信の軍勢が他国へ遠征するときの兵糧として、剣先につき刺して焼いたので「剣先焼き」だとか、神仏に供えた下り飯を病難除けに焼いて食べたので、「献残焼き」という説もあります。正月の食べ物だから「献歳焼き」ともいわれますが、定説はありません。
普通の焼きおにぎりに一工夫するだけの簡単調理。お茶漬けのようにサラサラと食べられるので、あまり食欲がわかないときや、お酒を飲んだ後にピッタリの郷土料理です。
雪が深々と降り積もる魚沼の夜に、美味しい魚沼産コシヒカリで作ったケンサン焼きを食べると格別なおいしさがあります。
これぞまさに雪国の味覚です。
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