自然が織りなす極上のアート
魚野川と水無川の流れる緑豊かな八色原(やいろはら)に、雄大な八海山と駒ヶ岳を望む八色の森公園があります。
そんな八色の森公園内にあり水と緑に囲まれた静寂のなかに佇むのが、公園の象徴とも言える池田美術館、通称「いけび」です。
池田美術館は、ベースボール・マガジン社および恒文社の創設者で、野球殿堂入りした故池田恒雄氏のコレクションを含む個人財産の寄贈により、「ユーラシア極東地域諸国とのスポーツ・文化交流への支援」、「池田コレクション約3,500点の展示・公開」を目的として1998年10月に開館しました。
館内には野球・オリンピック・相撲の三本柱を中心としたスポーツ文化展示室をはじめ、日本有数のコレクションである小泉八雲文学資料室、會津八一や日本最初の女性洋画家エレオノラ・ラグーザ(通称ラグーザ・玉)の日本美術展示室のほか、日本初のスポーツカード海外美術展示室など、4部門に分かれた常設展示室が設けられています。スポーツとアートと文学が一体となった美術館は稀で、池田美術館は全国でもユニークな美術館として注目されています。
展示もさることながら、池田美術館の最大のアートと言えば、なんといっても180度パノラマのエントランスホールから望む景色です。
雄大な越後三山の「八海山」と「駒ケ岳」の迫力ある眺望と美術館前の池を囲む庭園が織りなす南魚沼の四季折々の姿は「自然が織りなす極上のアート」と言っても過言ではありません。
美術館と自然との共生は全国各地で見られますが、四季の変化が際立つ南魚沼の山々を背景にした池田美術館のエントランスホールを眺めていると、一幅の名画の世界に迷い込んだかのような一体感があります。
それも周辺の景色との調和を考え、公園設立に先駆けて美術館が設計されたこそです。
エントランスホールのすぐ横には大きく広がった窓から八海山と駒ヶ岳を一望できる喫茶コーナーがあり、小泉八雲が愛した味と香りを再現した「ラフカディオハーンコーヒー」を楽しむことができます。
美術館前の水鏡に映し出される越後三山の雄大な姿。南魚沼の青田に広がる真っ青な夏空に真っ白な雲。それらを囲みこむように広がる八色の森公園の深緑を愛でながら、小泉八雲が愛したコーヒーを飲みつつ怪談話でも楽しめば、真夏の一服の清涼剤になる事請け合いです。
アクティブな夏に心静かな時間を過ごす。これもまた魚沼の趣のある夏の過ごし方です。
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