人生最高のレストラン!

稲刈りが終わり農作業がひと段落すると、これから訪れる長い冬に向け、魚沼地方の木々たちは一斉に秋の彩に染まります。年に一度しかない魚沼地方の見事な紅葉を見に、今回は秋山郷へ向かいました。

秋山郷は長野・新潟の県境、苗場山と鳥甲山にはさまれた中津川渓谷にある12の集落の総称で、平家落人伝説が残る場所です。

津南町の大割野の交差点から中津川沿いを走る国道405号線の狭隘な山道をひたすら登っていきます。途中車の行き違いが難しい場所もあるのですが、視界に飛び込む赤や黄、橙に染まる中津川の渓谷は素晴らしい景観です。

紅葉に燃える渓谷を走ること30分ほどで「前倉橋」に到着。前倉橋は三倉橋と並び、「新潟の橋50選」にも選ばれている、赤い美しいアーチが特徴の橋で、紅葉新緑ともに絶景スポットが撮影できるということで、全国からカメラファンが集まる場所でもあります。

そんな前倉橋の袂にポツンと一軒佇むのがお休み処「へいけ茶屋」

隘路を走ってきたこともあり、ここらでちょっと一服しようと思い立ち寄りました。

店頭では店主が炭火で焼くイワナの良い香りが漂い、中は土産物屋と食事処となっており、民芸品の他、地物のキノコなども売られています。夕食までには少し早かったので、地物のきのこを使った秋限定のきのこ汁を注文し、オープンテラス(と言っても鉄製の丸テーブルと椅子が置いてあるだけですが…)で前倉橋を眺めながらいただくことに。

昼下がりの傾きかけた陽射しが中津川渓谷の紅葉を照らし、前倉橋のアーチの色に負けないくらい鮮やかな赤色に。眼下を見おろすと絶壁の渓谷の間を流れるエメラルドグリーンの色合いがコントラストとなり、まるで一幅の絵画を眺めているかのようです。

美味しい空気に中津川の清流の音と鳥たちの鳴き声が響く渓谷で、地物のきのこがたっぷりと入った素朴で温かい味噌汁をいただきながら、絶景の紅葉を楽しむ。

どんな高級レストランでも味わえない環境で、最高に美味しいきのこ汁をいただきました。