雪解けの水と酒米 本物の地酒造りを目指して

魚沼地方の十日町では、かつてコシヒカリ以外にも日本酒の原料となる酒米が作られていました。

しかし1995年に魚沼産コシヒカリが新潟産コシヒカリから別建て上場したことで取引価格が上昇したため、生産者は競ってコシヒカリを作るようになったため、酒米の生産は減り続けました。

十日町は日本屈指の米処であり、他県の酒蔵が羨むような、最高品質の酒米が育つ環境にありながらも生産が無いため、十日町の酒蔵は地域外の酒米を使用しています。

 

そんな中、雪国の水と地元の酒米を使って本当の地酒造りを目指すべく、農業者、酒蔵、農協そして行政が一丸となって立ち上がり、「十日町市酒米研究会」を発足させました。

この研究会では酒造好適米「五百万石」の十日町市での作付け振興と品質向上だけでなく、新たな日本酒ファンの獲得を目指すため、女性雑誌とコラボした企画も実施するなど様々な取り組みを行っています。

また、酒蔵が田んぼに足を運び、自分たちが使う酒米がどのように作られているか酒蔵自身の目で確認し、反対に農業者が酒蔵を訪問し、自分たちの米がどのようにして酒になるかを見学する事で、作り手同士が協力して心を通わせた地酒造りに取り組んでいます。

 

日本屈指の豪雪地であり、良質な水にも恵まれた魚沼地方で、地の米と地の水をつかった「本当の地酒」が楽しめる日を心待ちにしています。